こんにちは。ジェイグラブの横川です。
今回紹介する記事は、英国のDHLの話なので、日本ではまだだと思いますが、近いうちに日本でも開始されるのではないかと思います。
実は、2021年のブログで、画期的な返品・返送サービスがあることを書いています(参考:返品請負事業者をPaypal(ペイパル)が買収)
過去ブログで紹介した、返品管理サービスを提供するHappy Returns社はフェデックスと提携し、Happy Returnsと契約したEC事業者の購入者が返品を希望する場合は、フェデックスの営業所に商品を送ると、返品したとみなし、消費者には返金(または交換)されるサービスです(消費者には返金し、その後販売者に返品物の処理を仰ぐというやり方です)。このHappy returns社は日本のメディアの取材も受けていますが、返金の際の通貨問題で課題があり、すぐには進出ができないと答えていましたが、Paypal(ペイパル)が買収したので、通貨問題はクリアできので、日本にもいずれ上陸するのでは?と考えていました。しかし、まだ正式に上陸していると聞いていないので、このDHLのサービスも首を長くして待つしかないかもしれません。
DHL Express、中小企業向け国際eコマース返品ポータルを開設
国際エクスプレスのDHLは、国際返品ポータルを活用し、中小企業でも自社ウェブサイト上で返品が楽にできる仕組みを数分で導入できるようになりました。
このポータルは完全にカスタマイズすることが可能で、Eコマース企業が独自の返品ポリシーや返品条件を設定することができ、消費者は簡単に返品を開始し、印刷可能なラベルを作成することができます。
DHLの返品ポータルを利用することで、企業は、顧客が独自に商品を発送した場合のように、配送時に関税や税金が課されることがなくなります。また、返品プロセスを合理化することで、適切な商品をできるだけ迅速に処理し、再販することができます。
DHL Express UKのビジネス開発ディレクターであるケリー・クロフトは「英国企業がグローバルな顧客基盤を拡大し続ける中、海外の顧客に対しても国内の顧客と同水準のサービスを提供することが重要です。当社の返品ポータルを利用することで、小規模または成長中のEコマース事業者は、海外の消費者に真の信頼を与えることができるプロフェッショナルな返品ソリューションを提供することができます。そして、私たちの目標は、小規模なeコマース・ビジネスが国際的に成長するのを支援することですが、リソースがいかに限られているかは承知しています。そのため、返品ポータルを簡単に設定でき、しかも無料で提供できるようにしたのです。国境を越える顧客の障壁を取り除くことができるのです」と述べています。
このポータルはすでに4,000社の中小企業の顧客に利用されており、注文と返品の両方を1つのプラットフォームでシームレスに管理できる。
参考:DHL Express launches international e-commerce returns portal for SMEs
おわりに
今回紹介したサービスはDHLと契約しておく必要がありますし、最初の顧客への送付もDHLを使っていることが条件になっていたりするのではないかと思います。(往路はDHL以外で、復路がこのDHLサービスでも良いのですが、そうすると、返品商品到着時の関税の再輸入免税の手続きが面倒そうです。)
返品プロセスがストレスフリーだと、6割以上の消費者がリピートする可能性を示唆し、また、再コンタクトした場合、最初に購入したものより高いものを選ぶ率が高いというデータがあります。確かに返品・返金は厄介な問題ですが、しっかり対応すれば、顧客のファン化・リピーター化が期待でき、結果的に中長期視点で見ると、プラスに作用します。
また、面白い返品対応のひとつに、慈善団体に寄付した証明を見せれば、返金するというやり方を始めた企業もアメリカにはあり、非常に好評だそうです。
それ以外には、H&Mなどのような大手アパレルは、返品はどんな理由であっても5ドル徴収というような有償返品システムを試験したりしています。