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越境ECブログ

新興市場における2024年の電子商取引

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

日本は、欧米圏と同じ時期の90年代後半からECがスタートしており、現時点では世界で4~5番目の市場規模を持ちます(近い将来はこの地位にいられないと思いますが)。
一方、あとからECをスタートさせた中国が一気に巨大市場になったように、中国に続こうとしている国々があります。
日本では、今でもアナログ回線電話やFAXが現役だということで世界からは驚かれますが、新興国は、欧米や日本が経験してきた技術発展の段階を経ず、一気に最先端の技術が流れ込みますので、最新分野においては新興国のほうが遥かに進んでいるという現象があります(リープ・フロッグ現象)。日本も明治維新の時がそれでした。欧米圏が数百年かけて発展させてきたものを、ものの20年程度で全部導入しましたから。
そんな新興国の2024年のEC予測がありますので、紹介いたします。


新興市場における2024年の電子商取引

世界の消費者層は2024年に1億900万人拡大する。これは、ブラジルを拠点とする決済プロバイダー、エバネックスが新興市場のデジタル経済についてまとめたレポート「Beyond Borders 2024」による予測です。

同レポートは、デジタル化がいかに主要産業を変革し、経済成長を促し、その結果、新興市場と先進国との間でより公平な状況がもたらされるかを強調している。

同レポートによると、2024年にはインドが世界の新規消費者のうち3,400万人(31%)を占め、eコマースの台頭により欧州、米州、アフリカの合計数を上回るという。

2024年には3400万人の新規ECユーザーがインドだけで誕生する

国際的な企業にとって、新興市場はデジタル成長のための重要な道を示している。データによると、先進国(欧米)ではeコマースの年間成長率が13%であるのに対し、新興市場(東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカ)では20%で進んでいる。

新興国のEC成長率が著しいという当たり前のグラフ

新興経済国、特にラテンアメリカにおけるeコマースのかなりの部分は、海外からの購入によってもたらされている。データによると、メキシコ、チリ、南アフリカの経済においても、国境を越えた取引が重要な役割を果たしている。

こうした新興国のうち、南米周辺は外国から購入する割合が高い。

さらに、予測によれば、2027年までに世界のB2Bデジタル決済の約40%を新興市場が占めるようになるという。

BtoB市場も徐々に世界の半分が、現在新興国と呼ばれる国になっていく。

参考:Ecommerce in Emerging Markets 2024


おわりに

新興国のEC成長率が凄まじいことが理解できます。短期的利益追求より、中長期的投資先として最適ですね。

困るのは、こうした高度経済成長しているというデータを見ると、金に目が眩んで、この市場に進出したいという短絡的な相談が続出することです。

経済成長率が異様に高いという事実だけで、その地域の物価が日本並みに追いついていると発想してしまうことは全く筋違いです。経済成長率が高くても購買力が高いとは限らないのです。
新興国には平均月収が数年前は1万円だったけれど、今は3万円だという国もあります。経済成長率で見ると300%の成長です。でも、月収3万円の人が、簡単に1万円もする日本製の商品を買えるでしょうか。ちょっと考えれば分かることです。

約半世紀前の日本では、LPレコードが2,500円でした。そして大卒の初任給が1万円台でした。この状況でLPを買おうものなら、1ヶ月分の給料の約4分の1が塩化ビニールの円盤に消えるということです。現在に置き換えたら、好きな音楽を買うのに5万円も払うようなもので、もしそうだとしたら、そんな頻繁に楽曲など買えないとなりますね。つまり、LPは当時は相当贅沢な品だったことが分かります。新興国は今まさにそんな感じです。

ただ、日本がその後急速に豊かになったように、新興国も巨大な吸収力を持つ市場になる可能性は秘めています。したがって、投資として進出するのが良いでしょう。目先の利益なら欧米、中国あたりですね(中国は簡単ではありませんが)。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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