こんにちは。ジェイグラブの横川です。
東南アジアをターゲットに検討する日本企業は多いですが、対して欧米圏は少ないです。かつて20年前にeBayにいたときに越境ECの営業を日本企業にしたときに返ってきたお断り理由トップ3は以下です。
・日本で間に合っているから越境ECに興味ない
(そんなこといつまでも言っていられなくなるぞと思いながら電話切る)
・英語ができないから越境ECやりません
(これは予測できましたが、辞書引きながらでもやる時期が来るぞ思いながら電話切る)
・外国人が怖いから遠慮します
(目が点になりました。自分は幕末に生きてるのかな?と錯覚するほどでした)
20年前の話なので当時働き盛りだった人はもうオーバー60くらいでしょうし、いまは・・・と言いたいところですが、20年程度で大きく変化していないでしょうから、口には出さないものの、心のどこかで「欧米人は怖いが、東南アジア人なら日本に憧れてるし、従順だし、行けるだろう」といった感じの100年以上前の国際感覚からアップデートしていない人が少なからずまだまだいるのだろうと思っていたりします。現在越境ECの成功者と言われる人たちの大半は、このころから現在の日本を予測して動いていたケースが多いです。
もちろん、そういう心理ではなく、経済成長の視点や人口ピラミッドなどから将来の有望性を見てこの地域を見据える人もいるでしょう。しかし、現実はまだまだ厳しく、そうそう簡単に売上はついてきません。そこに、昨今の世界的な景気後退局面です。その点で言えば、実際に現地でショールームストアを展開している弊社の肌感では、なんだかんだ言ってアメリカは活発な市場でした(参考:なんだかんだ言っても米国がeコマースでは超巨大だ)
2023年東南アジアのEコマース予測
東南アジアは、実店舗小売とeコマースの売上成長において、 世界的に最も明るいスポットのひとつであった。しかし、世界経済の不確実性が高まったことで、今年以降はは両者とも減速に直面するだろう。eコマース売上では、インドネシアが引き続き同地域の他国を引き離しているが、フィリピンとマレーシアが成長のペースを握るだろう。
東南アジアの小売eコマース売上成長率は、2022年の21.6%から2023年には13.5%に低下し、2025年には一桁台へと徐々に緩和する。
参考:Indonesia bans purchases on social media, in a blow to TikTok’s e-commerce ambitions
まとめ
なお、上記記事が言っている、売上成長率は、市場全体が成熟していけば下がっていくものなので、景気後退とは直接的には本来は関係ありません。
しかし、ここ数年はそれも多少影響すると思います。また、インドネシアが牽引役だと記事で言っていますが、インドネシアは外国企業の進出に非常にピリピリしており、進出が難しくなっている国でもあります。そうなってくると、記事の言うようにこれからはマレーシアとフィリピンが鍵を握るのでしょう。そういう論調の記事も3年前からずっと出ています(下記関連記事参照)。