こんにちは。ジェイグラブの横川です。
地球環境を考える動きは世界的な潮流ですが、越境ECに関して言うと、EUがその意識が高く、とりわけドイツは「パッケージ・アクト(ドイツ梱包法)」が制定され、Lucid登録や現地リサイクル業者との契約が必須になっており、これはドイツ国外の人にも影響しています。そして、このドイツの法律はEU内でも非常に評判が良く、そのうちEU全体に波及するだろうと言われていました。
EUに比べると、アジアはこうした意識が今ひとつ立ち遅れているのですが、ついに日本のすぐそばの台湾で似たような規制が発効されました。どんな内容かみてみましょう。
台湾、電子商取引用パッケージのPVC禁止を7月に発効へ
台湾の環境保護局(EPA)によると、台湾のオンライン小売業者が使用する包装材は、7月1日からポリ塩化ビニル(PVC)の使用が認められなくなり、再生材を使用しなければならなくなります。
新しい規則では、オンライン小売業者の包装にPVCプラスチックを使用することは認められず、自然な色合いの再生紙を90%以上含む包装紙や、再利用可能なプラスチックを25%以上含むプラスチック包装が優先される。
また、ネット通販業者の規模によって、使用できる包装の量が異なる。
資本金5,000万台湾ドル(161万米ドル)以上の小売業者は、商品の重量に対する包装の割合を、250g以上1kg未満は40%以下、1kg以上3kg未満は30%以下、3kg以上は15%以下とする。
資本金1億5,000万台湾ドル以上の小売業者は、2024年までに包装材を25%削減し、2025年までに30%、2026年までに35%削減することが求められる。
2024年に販売される商品に使用される包装資材の約2%は再利用可能なものでなければならず、この比率は2025年までに8.5%、2026年までに15%に引き上げられる。
EPAリサイクル基金管理委員会の王嶽斌執行長は、廃棄物の減量要件を満たさない小売業者には3万元から15万元の罰金が課され、適時に包装を変更する必要があると述べた。
この新規則はオンラインマーケットプレイスを通じて商品を販売する個人には適用されないと王氏は述べた。
統計によると、台湾の一般商品のオンライン小売売上高は2017年の2283億台湾ドルから昨年は4303億台湾ドルに増加し、推定2億2000万袋と箱が使用され、約5万トンの包装廃棄物が発生した。
参考:Taiwan ban on PVC in e-commerce packaging to take effect in July
おわりに
この記事を読む限り、今のところ台湾国内の個人は適用されないということはわかりました。逆に企業に対しては資本金ごとに規制を細かく分けていることがわかります。
ただ、ドイツ梱包法が外国企業や個人にも規制の遵守を求めるのに対して、今回の台湾の規制はそのあたりがこの記事からは判然としません。このあたりは追跡調査をいたします。ただ、今のところは日本企業には影響しないのかもしれませんが、そう遠くない将来のうちに台湾外企業にも影響しそうな気がします。