ジェイグラブの横川です。
持続可能性(SDG’s)と越境ECの関係性については過去に何度か記事にしてきています(関連記事参照)。
欧米圏のユーザーはこの意識が非常に高く、持続可能性と関わるECが選ばれる傾向が高くなっています。配送でも同じです。ドイツではカーボン・オフセットを根拠にした梱包法を改正し、ドイツ以外のユーザーも必要な手続きを行わないとならなくなっています。
今回は、そうした傾向をレポートにまとめた記事がありますので、紹介いたします。
8割の消費者、持続可能性のためなら待つ
物流ソフトウェアベンダーのシフテッドが500人の消費者を対象に行った調査によると、79.6%の消費者が、オンライン注文がより持続可能な方法で発送されるのであれば、少なくとも1日は待つと回答しました。
しかし、この待とうという意欲は、日数が増えるほど急速に低下し、少なくとも2日間待つ人は45%、3日間以上待つ人は15.6%にとどまっています。
全体として、消費者はオンライン注文した商品をより環境に優しい方法で発送してもらうために、何かしらの行動を起こすと答えています。69%の消費者が、持続可能な配送が過去の購入に影響を与えたと回答し、76%の消費者が、より持続可能な配送のためなら5%の追加料金も支払うと回答しています。
このように、持続可能な配送を考慮する消費者の割合が高いことは、シフテッドにとっては「消費者はあらゆる面で持続可能性の向上を求めているので、配送に関してもそのような需要があることは驚きではありません」と語っており、特段変わった現象ではないとのことです。
「Eコマースは、パンデミック時に前例のない成長を遂げました。この変化により、より多くの消費者が、商品を玄関先まで配送することの影響について考えるようになりました。」とも語っている。
にもかかわらず、オンライン購入をする際の重視ポイントでは価格の優先順位が上がり、持続可能な配送の優先順位が下がったおり、これの主な理由として、シフテッドはインフレを挙げています。
2023年の消費者の56.8%が、オンライン購入時に持続可能な梱包・配送が重要(33.8%)または非常に重要(23%)であると回答しました。これは、66%が持続可能な配送と包装を重要(32.6%)または非常に重要(33.4%)と回答した2021年と比較すると、その差は歴然です。
参照:80% of shoppers will wait for sustainable shipping
おわりに
現在は、インフレの影響もあると思いますが、逆にポイントが下がった理由として、持続可能性を考えることは当たり前だから敢えて選ぶ項目ではないと考えた人もいるような気がします。
YouTubeなどで、日本に観光旅行に来たYouTuberの動画などを見ていると、食事の美味しさ、街の綺麗さ、至る所にある自販機、新幹線の速さなどを取り上げる人が多いですが、過剰包装を残念がるコメントも見かけます。昔に比べると大分減ったと思いますが、それでも海外のお菓子などに比べるとまだ過剰包装と言えるものは多いですね。日本人の病的な神経質はどうにかならないんもんでしょうかね。
それはともかく、海外では持続可能性を気にする人が増えているので、梱包も新品のダンボールではなく、使い回しのダンボールなども評価を上げることになると思います(箱の絵柄に気をつける必要もありますが)