こんにちは。ジェイグラブの横川です。
よくこのブログでも書いてきましたが、日本企業は海外の基準で見ると、もう医者に診てもらったほうがいいくらいの心配性で(私はこれを「変態的臆病」と呼んでます)、「何かあったらどうしよう」が常に先行し、色々情報を盛り込むので、出来上がってみると、ほとんどエロサイト並みに賑やかになっていることが多々あります。しかし、これは相手の都合を考えているとは言えません(おかしいですね。相手の都合を優先して考え、空気を読む文化のはずなのに)。
ひょっとしたら、日本企業が越境ECで実績を出せない理由の一つかもしれません。
実績を確認する指標のひとつにコンバージョンレートというのがあります。一般的にコンバージョンレートというと、売上に関する指標と捉えますが、コンバージョンは「ある状態から別の状態に変わること」を指しますので、必ずしも売上の話だけではありません。
ここでは、御社になにか質問したい人がいる時のコンタクトについてなども含めたインフォグラフィックを紹介します。
オプションの削減でECサイトのコンバージョン率を上げる方法
問い合わせなどのフォームで、コンバーションを仮に100として、オプションで電話番号を尋ねると5%低下、住所を尋ねると4%低下、年齢を尋ねると3%低下、都道府県レベルの大まかなエリアを尋ねると2%低下することがわかっている。
コンタクトフォームの項目が3つくらいだと25%、3から5個だと20%だが、6個以上あると15%まで下がる。
ドロップダウンメニューも項目が増えるほどコンバージョンは落ちる。
以下は、ニューヨーク・タイムズが、ある食料品店で別々の土曜日に行った実験結果を示しています。
ある日、24種類の味のジャムを陳列し、試食できるようにしたところ、60%の人が試食することをせず、3%しか購入されなかった。
またあるときは、たった6種類の味のジャムしか置かなかったが、試食しなかったのは4割にとどまり、30%が購入に至った。
結果は、集客数は24種類のほうが多かったが、売上は種類の少ないほうが600%高かった。
つまり、消費者にとって、選択肢の数がどのくらいあるのが適切かというのが分かると思います。
実際アマゾンでも「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の欄に最大で6つまでしか表示しませんし、SaaSサービス企業(37signals.com やネットフリックス)でも4-5程度の選択肢しか表示していません。
参考:How Reducing Options Can Increase Your Ecommerce Conversion Rate
さいごに
他のブログでもよく触れていることですが、「多けりゃいいってもんじゃない」ってことですね。
売上を上げるためにSEOに腐心するのは決して悪くはないですが、1万人訪問しても購入者が8人のサイトと、10人しか訪問されないけど8人は買ってくれるサイトなら、消費者とよいコミュニケーションが取れているのは明らかに後者です。
心配性からあれもこれもとやらないことが実績につながるのではないかと思います。
「細かいことに気づく=褒められる」に味をしめてるような担当者がいる企業は越境ECでは悲劇だなぁと思います(笑)。