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越境ECブログ

Amazon(アマゾン)とeBay(イーベイ)、何がどう違うのか

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

越境ECの相談を受ける際、アマゾンありきで相談される方がいますが、事前に調べて考えた結果アマゾンにしたという人もいますが、以下のような人も散見されます。

・越境ECならアマゾンだろう
考え抜いた結果のように聞こえますが、実際にはアマゾンしか知らないからアマゾンにしたという、あまり考えていないパターンです。一般に消費者は知っているブランドには安心しますが、知らないブランドは不安を感じます。それゆえにアマゾンは知っているから安心という心理が働いているということも考えられます。

ただし、これは肝に銘じてください。
あなたが、知ってるブランドだからという理由で選んだのなら、あなたの商品の知名度が低い場合、海外の消費者も知っているブランドを選ぶ傾向が強くあるため、あなたの商品は選ばれないということを。お互い様です。

・もうアマゾンで始めてしまい、後に引けない
これは、上記のような思い込み一択で社内にアマゾン推しして始めたものの、結果が思わしくなく、藁にもすがる思いで相談したというパターン。

さて、誤解を解いておく必要があります。
私は、アマゾンをディスるつもりで書いたのではありません。アマゾンは非常に大きな市場を持つECモールであり、長所も数々あります。きちんとやれば売れます。ただ、アマゾンにも得手不得手があります。上記のように、考えたふりをしただけで、実際は何も考えずに始めるのはいかなものかという意味で書いています。進出方法や物によっては他の手法が良い例もあるといいたいだけです。


アマゾンとイーベイ、違いはなにか?

イーベイ(eBay)

イーベイは1995年の創業以来、PayPal、Gumtree、StubHubなど、かなりの数の企業を買収し(すでに手放しているものもありますが)、2022年第3四半期時点で1億3800万人のアクティブバイヤーを持っています。

イーベイは成約すると手数料がかかり、販売者のマージンが削られます。

出品の際には出品手数料が本来はかかりますが、現在はすべての出品者に出品手数料の無料枠があり、相当大量に出品しない限り発生しません。イーベイストアを契約している場合は、より多くの手数料無料出品枠を得られます。

アマゾン(Amazon)

アマゾンは、イーベイよりも複雑な料金体系を持っています。同社は出品者に2つのオプションを提供してい、小口、または大口の2パターンがあります。

一部、出品にアマゾンの承認が必要なカテゴリーがあります。アマゾンでは、すでに出品されている商品を販売し用とする場合は、商品のUPC番号やSKU番号を入力するだけで簡単に出品することができます。そのため出品準備をする時間を短縮することができます。支払いは出品者の口座に定期的に振り込まれ、出品者はアマゾンの詐欺防止サービスによって保護されます。

主な違いなど

オークションサイトの元祖であるイーベイは、以前は複雑な販売手数料計算を設定していました。しかし、現在はシンプルになっています。アマゾンの手数料体系も分かりづらく、イライラさせられることがあります。

ただ、アマゾンは、イーベイに対していくつかの利点を持っています。まず、買い手にアマゾンから直接買っているように感じさせるのがうまいという点です。またFBAは(Fulfillment by Amazon)では、出品者が商品アマゾンの倉庫から発送することが可能です。

一方、出品をカスタマイズし、パーソナライズすることを望む出品者は、イーベイを利用するのを好む傾向です。アマゾンのニュートラルな出品よりも、キャッチーな掲載ができるイーベイの方が、魅力的で販売につながる可能性が高いかもしれません。

イーベイの長所・短所

イーベイでは不用品や、自己制作物 ”も” 売ることができ、簡単にお金に変えることができます。イーベイの検索エンジンにより、必要なものを簡単に見つけることができます。

しかし、デメリットもあります。まず、売れたら手数料を支払う必要があります。また、アイテムの販売に制限がされる場合があります。

・長所
世界190カ国以上に展開している。
eBayアカウントの初期設定が比較的簡単である。

・短所
売れたら販売手数料を支払わなければならない。その仕組みや手数料は変化する可能性がある。
同じような出品者と競争しなければならない。

アマゾンの長所・短所

アマゾンは巨大企業であり、何百万人もの潜在顧客にリーチしているため、販売者に高いトラフィックの可能性を提供しています。

また、アマゾンを通じてスモールビジネスを行う場合、アマゾンが巨大な倉庫に商品を保管してくれます。アマゾンプライムの利用者は、アマゾンで買い物の大部分をする可能性が高く、そのような利用者にリーチできれば、より多くの売上を獲得できる可能性が高くなります。

イーベイ同様に手数料がかかるのが短所で、(イーベイと違って)顧客との交流もなく、商品もビジネスもアマゾンの中に包まれてしまうので、ブランドを育てる機会が得られにくいです。

・長所
何百万人もの潜在顧客にリーチする。
オンラインショッピングの利用者に愛されおり信頼されている。

・短所
自身のブランドを成長させることが非常に難しい。
自身の商品が、デジタルオーシャンの中で強い視認性を持っていない可能性がある。
手数料が高い。

アマゾンとイーベイ、どちらが安全か?

Eコマースはリスクの高いビジネスですが、顧客とやり取りする必要がない分、全体的にアマゾンの方が安全かもしれません。とはいえ、アマゾンもイーベイもどちらも販売者と顧客を守るために多くの安全策を講じています。

アマゾンとイーベイ、どちらが大きいか?

アマゾンはイーベイよりも多くの潜在顧客を抱えており、より多くの製品を提供しています。

アマゾンとイーベイ、セラーは数は?

2021年、イーベイには米国だけで約700万人のセラーが存在し、アマゾンはグローバルに販売をするセラーが約600万人でした。

アマゾンとイーベイ、買い手は何人いるか?

2021年、世界のイーベイの顧客数は約1億5,900万人。アマゾンのアクティブユーザーは全世界で3億人以上。

結論

イーベイでもアマゾンでも、大切なのはリサーチです。アマゾンでは安く販売できる商品でも、イーベイでは手数料が高くつくときもあります。しかし、顧客サービスや特定の顧客層へのリーチという点をを考えれば、イーベイの手数料は納得かもしれません。

どちらのサイトも売り手にとって長所と短所がありますが、ブランドを作りたいのであれば、イーベイの方がよいかもしれません。商品の保管場所を確保したいのであれば、アマゾンが適しているかもしれません。

参考:eBay vs. Amazon: What’s the Difference?


まとめ

オリジナルの記事には、2022年に書かれた割には恐ろしいほど古い情報も多く書かれていたため、訳しながら現在のシーンで役に立つ部分を抜粋しました。

また、別のデータによると、eBayの全セラーの10人に3人近く(正確には28%)がアメリカにいます(Statista, 2019)。これは、世界中の2500万人のeBay販売者のうち、700万人が米国の販売者であるということを意味します。

逆に言えば70%がアメリカ以外であり、国際取引率はダブルスコアでAmazonを引き離しています(eBayの国際取引率は70%弱、Amazonは30%程度)。国際取引率とは売り手と買い手の国籍が一致しない率のことで、これが高いほうが「外国から物を買うことに躊躇しないユーザーが多い市場」ということが言えます。単に市場規模が大きい、売れていると聞いているという表面的なデータだけで越境ECを始めても、国際取引率が低ければ購入されづらいので、この数値は特に重要です。

また、上記記事では、イーベイの短所に「手数料を払わないとならない」としきりに筆者は言っていますが、それはどのECモールでも同じなので、こいつどんだけケチなんだ?と笑ってしまいました。短所としてわざわざ書く必要もないことなので、逆に言えば短所は少ないという証左でしょう。
さらにアマゾンは手数料体系が複雑だと主張していますが、私はこれについてはイーベイのほうがアマゾンより複雑だと思っています。

しかし、全体としてバランスよく書かれており、潜在顧客へのリーチではアマゾン、認知度を上げるのならイーベイというのはそのとおりだと思います

冒頭の「自身の商品の知名度のことを考えずに、考えたふりをしただけで、実際は何も考えずに知名度があるサイトだから」という理由で始めてしまうのが、いかに悲劇かということがおわかりいただけたかと思います。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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