こんにちは。ジェイグラブの横川です。
誰もがこんな世の中になるとは思ってもみませんでしたが、インターネットがあったおかげで、昔よりは不便な生活をせずに済んでいますし、企業もインターネットを利用することで、苦境からの活路を見出そうと思えばできるようになりました(業種によりますが)。
その最たるものがEC(電子商取引、ネット通販)ではないかと思います。とりわけ、人口減少による市場縮小がコロナとは関係なく既定路線の日本では、海外に目を向けざるを得なくなってきています(越境EC)。
そんなECですが、既に90年代後半からあるため、もう四半世紀くらいの歴史があります。当時はパソコンがないと実現しないものでしたが、2000年代前半のうちに携帯電話(ガラケー)によるECが始まり、2010年代にスマホが登場するに至って、パソコンレベルのECができるようになり、Ecommerce(eコマース)ではなく、M-Commerce(モバイルコマース)という単語もよく使われるようになりました。5~6年前から時期によっては、あるいはアジアなどの新興国ではモバイルによる購入が圧倒的にになっており、世界ではモバイル(タブレット含む)でいかに買いやすいサイトを構築し、売り上げていくかという技術的視点に移りつつあります。
日本のように、ダイヤル式黒電話、プッシュホン、ファックス、ポケベル、ワープロ通信、パソコン通信、電話回線インターネット、ガラケー、ISBN、ADSL、光高速通信、スマホと時代とともに、その時々の新しい機器と接してきた国は、古い機器でも不都合を感じず満足してしまい、慣れ親しみすぎて、新しい機器の取り扱いについていけなくなる人も増えてしまい、それがIT後進国の原因にもなっていますが、アジア諸国のように、一気に最先端のスマホだけが洪水のように押し寄せた地域は、逆に先端技術に長けた人が多くなります(その代わり、そうした技術が駄目になった時の代替案を知らないという言い方はできますが。スマホしか知らない若者がいざという時に公衆電話のかけ方を知らなくて困ったというようなものですね)。
では、この数年でモバイルコマースはどこまで伸びてきたのか、見てみましょう。
E-コマースとM-コマースの役割
過去2年間、世界の電子商取引ビジネスは、新型コロナの大流行の影響もあり、非常に速いペースで成長し始めた。mコマース対eコマースの統計でも、モバイルコマースが優位であることが明らかになっている。
- 2020年から2021年にかけて、オンライン売上は27.6%急増し、4兆円を突破した。
- 2022年初頭には、mコマースがインターネット購入の約73%を占めるようになり、昨年より14%増加した。
- 75%の顧客がモバイルショッピングを好む理由は、より効率的で時間の節約になるから。
- 80%の購入者が、実店舗で買い物をする際に、価格を比較したり、レビューを読んだり、他の店舗の場所を探したりするためにモバイル端末を活用する。
- 2021年には、世界人口の48%以上にあたる38億人が、少なくとも1台の携帯電話を所有するようになった。
- 2020年、モバイルコマースは米国だけで3,390億ドルもの収入をもたらした。
E-コマースとM-コマースのメリットとデメリット
Eコマース(パソコン)のメリット
一日中働いている人にとって、オンラインショッピングは時間の節約になる。eコマースサイトの設計と開発により、小規模な企業でもより効果的に顧客と接触することができるようになった。さらに、これまで手が届かなかった新しい市場や地域にも進出できるようになった。また、実店舗を持つ必要がないため、運営コストを削減することができ、顧客に対する価格訴求力を高めることができる。そして、様々なチャネルで販売することができることがメリットして挙げられる。
Eコマース(パソコン)のデメリット
データ通信、異なるスクリーンサイズへの対応、遅いインターネット接続、知らないサイトからスマホを使って購入する場合、特定のネットワークでのセキュリティの問題がしばしば起きる。すべての取引がコンピューター画面を通して行われるため、小売業で重要な部分であるパーソナルタッチが欠落する。
今後のEコマースの動向
マーケットプレイス
最近、顧客は一箇所ですべての商品を購入することに慣れてきました。何度も配送料を支払う必要がなく、ほとんどのマーケットプレイスでは定期的に様々な特典や割引が提供されています。
迅速な顧客調査
ショップが迅速に行動しなければならない場合、推測に頼るのではなく、短期間のユーザー調査を行うしかありません。Eコマースでは、数週間から数ヶ月ではなく、数日で完了することができます。
オーグメンテッドリアリティ(現実感の増幅)
実店舗と同じような感覚的な体験を提供するために、アプリケーションを活用することができます。試着したり、商品をじっくり見たり、家具がどのように見えるか、どのようにリビングにフィットするかを確認したりすることができます。
サステナビリティ(持続可能性)
持続可能な生産と商業には、環境にやさしい素材や包装を使用し、長持ちする製品を開発・販売することが必要です。生分解性、オーガニック、プラスチックフリー、耐久性、倫理性、堆肥化可能、リサイクル、エコフレンドリー、再利用可能、などがその例です。
オムニチャネル販売
このマーケティング戦略は、より効果的に顧客にアプローチし、よりパーソナライズされた体験を提供することができます。1つまたはいくつかのマーケティングや販売手段を使うだけでは、あまり効果は期待できません。ソーシャルメディア、マーケットプレイス、モバイルアプリケーション、ウェブサイト、そして実店舗を活用することで、オムニチャネルセールスの可能性を追求することができます。
また、サイトをモバイルアプリに変更することも一般的なトレンドです。
Mコマースの未来
2014年にアクセンチュアとフォレスターが行った調査によると、56%以上の購入者が個人の居場所に関係なく、一日中いつでも携帯電話を使用しています。今後5年間で、スマートフォンを所有する人の数は、年間25%増加すると予測されています。
プログレッシブ・ウェブ・アプリは、ネイティブ・アプリの機能と通常のウェブ・アプリの互換性を組み合わせたもので、一般的なモバイル・コマースの動きとなっています。企業は、さまざまな種類のOSや最新バージョンへの更新の有無に依存するモバイルアプリの設計を避けることで、コスト削減を図ることができる。
消費者の同意を得て個人情報をモバイルアプリに保存することで、消費者の時間を節約し、ワンクリックで注文できるようにすることが実現可能である。ソーシャルコマースは、ソーシャルメディア上の「ショッパブル」な投稿やサイトに掲載された広告をきっかけに行われる購買や取引のことで、現在も健在である。
参考:M-commerce vs E-commerce: What’s the Difference?
おわりに
無理もないことですが、日本の場合、スマホは後発の新技術に過ぎず、徐々に発達してきた流れの中ででてきたものですので、うっかりスマホで買われることに意識が抜けてしまうのですが、アジアなどは一気に一足飛びに新技術が入ったので、スマホをまず中心に考えます。
そのため、サイトの構築、商品の出品はスマホでいかに見やすく、買いやすくなるようにするかを考えねばなりません。