こんにちは。ジェイグラブの横川です。
今度の4月に値上げが予定されている商品などがあります。だいたい春と秋に値上げの発表が多いですね。
そこに持ってきてコロナの影響、原油の生産調整、ロシアのウクライナ侵攻などが重なり、値上げを余儀なくされているという状態です。
越境ECでも、従来の価格では厳しいという商品も出てきているかと思います。そこで、今回は値上げ圧力にどう対応すればよいのかという記事がありましたので紹介します。
値上げをせずにインフレに対抗する方法
インフレが進行している。多くの小売業者が値上げを行い、代替品を探さずに買い物客をイライラさせている。値上げをする前に、企業はそのビジネスモデル、製品構成、市場での地位、そして全体的な生産性を検討する必要がある。最終的には、値上げが必要かもしれない。しかし、新たな機会を見出すことができれば、企業はインフレの流れに逆らい、利益を得ることさえできるかもしれない。
ロンドン・ビジネス・スクールの副学部長でマーケティングの教授であるオデッド・ケーニグスバーグは、ハーバード・ビジネス・レビュー誌の記事でこのジレンマを簡潔に表現している。
「インフレに対する古典的な対応は、3つの魅力的でない選択肢のうちの1つを選ぶことである。経営者は、値上げによって顧客を動揺させるか、マージンを削減して投資家を動揺させるか、コスト削減のために手を抜いて実質的にすべての人を動揺させるかです」
もし、利益を上げるために価格を上げる必要がなかったらどうだろう。
すべてのeコマースや小売のビジネスモデルが、インフレの高まりに直面して平等であるとは限りません。現在の市場は、あるビジネスが利益を得る方法を拡張したり、更新したりする絶好の機会かもしれません。
例えば、消費者向け直販ブランドであるイタルは、eコマースの売上を会員制の収入で補っています。このブランドは、高価なブランドと同じ工場でアパレルや家庭用品を製造していますが、より安価で販売されています。また、年間60ドルの会員制で、専用のアクセスやサポートを提供している。
※ジェイグラブ註:このビジネスモデルで日本でも有名なのはコストコですね。
もう一つの例は、リコマース(リサイクル)ビジネスのフロアファウンドである。同社は、他の小売業者から家具などの大型返品を回収し、それらを検品して再販することで、元の小売業者のコスト削減と収益回復に貢献している。
フレイヴィアは、酒類サブスクリプションである。テーマ別の「テイスティングボックス」を通じてスピリッツを共有し、加入者は割り当てられた在庫や共同開発されたウィスキー、ジン、ウォッカにアクセスすることができる。
提供製品の更新
インフレに侵された現在の市場に適した製品を販売しているかどうかよく見つめ直し、消費者価格を上げないような更新を検討しましょう。
不採算SKUの削減
プライベートブランド商品の追加、付加価値を高めるための商品のバンドル、価格を安定させるための数量削減(10オンス入りから8オンス入りへの変更など)が考えられる。
市場でのポジションを変更
ここでは、ある市場から別の市場へ移行することが目的かもしれません。
ある小さなDTC新興ブランドを例にとって考えてみましょう。ファイバースポーツは、ホッケー用の射出成型アーマーの製造からスタートしましたが、産業用フットウェアに方向転換し、より大きな市場を見出すことができました。
生産性を高める
生産性の向上は値上げの代替策となり得ますが、必ずしも手抜きを意味するわけではありません。
生産性の向上は、自動化、マーケティングの最適化、リモートワーカーの雇用、サードパーティーフルフィルメントサービスを利用して製品を顧客の近くに配置することなどで実現できる。
どんなに努力しても、インフレのために値上げを余儀なくされることがある。しかし、ここにもチャンスがある。
値上げと上記の戦略のいずれかを組み合わせることを検討する。
前述のケーニグスバーグは、価格で勝負してきた企業の中には、商品を過小評価している可能性があると指摘した。そのような企業は、製品の価格と名声を高め、フルバリューに近い価格で販売するという戦略を検討する価値がある。
参照:How Merchants Combat Inflation without Raising Prices
さいごに
人は情報の多くを視覚から獲得します。またECはごく一部を除けば、視覚以外に訴えられる手段がありません。ということは、商品そのものをリニューアルしたりしても、その商品の認知度がない場合は全く効果的ではありません。つまり「商品自体で差異化を図るより、商品の説明の仕方・内容で差異化を図るしかありません」。現在の値上げしないといけないかもしれないトレンドなかで、同対処すべきか今回の記事は少しヒントを与えてくれているように感じます。