こんにちは。ジェイグラブの横川です。
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、日本や欧米諸国は強力な金融制裁を行っているというニュースは連日のように報道されますが、越境ECを行う担当者にとっては、それ以外の情報も必要です。そこで、ECを行っている大手企業や物流企業の動きをまとめた記事を抜粋してお伝えいたします。
ロシアとウクライナの紛争により、世界的にECの混乱が起きる可能性
欧米の制裁でロシアから大量流出が起きている。ウクライナにおけるロシアの侵略の中、EC企業は米国やその他の国々が実施する経済制裁の影響を感じ始めており、この地域から撤退している。
ネスレやコカ・コーラなどはロシアへの出荷を停止した。物流企業も同じことを行っている。
UPSとフェデックス(FedEx)は、この地域での事業を停止した企業の中でも最大手であり、ロシアへの配送を停止し、ウクライナの入出荷も中断するという声明を出している。また、DHLも独自の声明を出し、両国へのすべての新規輸送の予約を停止した。
※ジェイグラブ註:日本郵便はこの紛争に関係なく、それ以前からロシアへは送れない
ECマーケットプレイスもこの流れの一端を担っている。例えば、イーベイ(eBay)は、ロシアとウクライナに住所を持つバイヤーへの販売を一時的に停止することを決定(参照:イーベイ(eBay)、ウクライナとロシア行きの商品に対する対応を発表)。
※ジェイグラブ註:このオリジナルの記事が出た直後にアマゾン(Amazon)は、ユニセフ、国連難民高等弁務官事務所、赤十字等、現地で救援活動をする団体に、社員からの寄付と会社として500万ドル上乗せして寄付すると表明。
さらに、VisaやMastercardなどのクレジットカード会社がロシアの金融機関をネットワークから外している。これは、世界銀行間金融通信協会(SWIFT)が、ロシアの銀行をネットワークから締め出した措置に続くもので、国境を越えた決済をより困難にする動きとなる。
※ジェイグラブ註:先日AMEXも追随した。
※追記:JCBも遅ればせながら追随した。この遅れは世界的に有名な「日本企業は意思決定が遅い」を地で行ったものでしょうか???
ロシアとウクライナの紛争によるECへの影響は、その地域に限られたものではないかもしれません。ひとつには、紛争によってインフレ率が上昇し、そのコストのためにサプライチェーンを通じたECの出荷の流れが減少する可能性があることです。
この紛争以前に、運賃はすでに過去1年間で急激に上昇しており、物価上昇という形で消費者に転嫁され、過去40年間で最も高いインフレ率の一因となっている。特に燃料費はその大きな要素で、ロシアが原油の主要輸出国であることを考えると、この紛争は厳しい状況を悪化させるものになる。
どのような戦争でもそうであるように、その影響はロシアとウクライナの一角にとどまらず、ECの混乱は世界中で感じられるだろう。
参考:Russia-Ukraine conflict could lead to global e-commerce disruptions