こんにちは。 ジェイグラブの横川です。
先日は、アリババがライバルに押されて苦しくなっているという記事を紹介しました(参照:「中国:拼多多と抖音に脅かされるアリババ帝国」)。しかし、ただで転ぶようなアリババではありません。その膨大な資金力をもって、東南アジア市場に打って出るようです。こうなると、アジアのほぼ全域がアリババの支配下になるということも可能性としてはありえますね。
では、具体的にどういうことなのか、以下の記事から見てみましょう。
中国アリババ、東南アジアのEコマース部門で1,000億ドルの目標を設定
中国のeコマース大手アリババは、東南アジアのオンラインマーケットプレイスであるラザダ(Lazada)の流通取引総額(GMV)目標を1000億ドルに設定しました。
ロイターが金曜日(12月17日)に報じたように、同社は今週、この目標を投資家と共有し、ラザダが2020年9月から2021年9月の間のGMVが210億ドルだったことから、アリババにとってかなり高いハードル設定となっています。
一方、同地域の大手eコマース小売業者であるSEAグループのショッピー(Shopee)は、2020年に354億ドルのGMVを記録していました。Shopeeはパンデミック中にベトナムで堅調な拡大を遂げ、訪問者数を80%も増加させました。
SEAグループは、かつてグラブ(Grabー東南アジア版ウーバー)などの企業が支配していた領域に押し込んだ。一方、ラザダはグラブと協力し、ユーザーとドライバーのネットワークに同社のサービスを利用し、ユーザーをグラブのフードデリバリーサービスに誘導するなど、グラブのeコマースへの注力度を高めるための支援を開始しました。
アリババによると、ラザダは東南アジアではショッピー、メルカド・リブレに次ぐ3位のポジションにあるが、上述のGMVの目標に加え、ユーザー数を現在の2倍近い3億人にまで引き上げたいとしている。実際、今月初めにアリババがeコマース事業を再構築し、新しい最高財務責任者を指名したことを報じられていました。
同社は、eコマース部門を国際デジタルコマースと中国デジタルコマースの2つに分割し、機動性を高め、事業拡大への取り組みを強化することを目的としています。
アリババの中国におけるセントラル・リテール・マーケットプレイスを率いていたJiang Fan氏は、アリエクスプレス、ラザダ、アリババ・ドットコムを含むインターナショナル・デジタルコマース部門を引き継ぎました。
アリエクスプレスが主にヨーロッパと南米の小売業者への販売を行うのに対し、ラザダとアリババ・ドットコムはグローバルなビジネス顧客を対象としています。
おわりに
ある程度市場が成長したら、次の市場に資金を投下していくのが資本主義の常識(中国って資本主義でしたっけ?(笑))。中国国内での頭打ちが見えていますので、東南アジアにシフトしていくのは自然ですね(中国のやっていることは日本以上に思いっきり資本主義ですね)。
来年以降の東南アジア市場は競争激化が予想されます。海外勢の勢いに気後れしがちで、動きの遅い日本企業は意識を変えないと一気に淘汰されていくことでしょう。