こんにちは。ジェイグラブの横川です。
日本に限らず、世界中が年末に近づくと商売は盛り上がってきます。そこで誰よりも目立って、売上を上げたいと思うと思います。そのためには、どうやって「広告を打つか」が課題です。
広告は確かに即効性はありますが、その効果を最大限に活かすためには、日頃からSEOやSNSなど地道な作業をしていないと「成功した広告」にはなりません。
が、それはそれとして、何事にも成功者の陰には多くの失敗者がいて、そうした結果的に失敗してしまった例を知っておくのは決して損ではありません。
そこで、多くのEC運営者がやってしまいがちなPPC(クリック課金型の広告)の失敗を晒していきたいと思います。
ブラックフライデーとクリスマスにeコマース企業が犯す9つの過ち
ピークを予測してない
ブラックフライデーは、現在では国際的なセールの祝日となっており、一般的には7〜14日前あたりから始められ、実質的に11月全体を通して販売が行われるようになりました。このような場合、PPC戦略は事前に全期間に渡って準備する必要があります。
ブラックフライデー当日には、広告のクリック単価(CPC)が大幅に上昇します。そのため、ブラックフライデーの前後にキャンペーンを延長することで、平均的なCPCを下げ、長期間にわたってより多くの売上を確保する方が効果的です。
つまり、クリスマスまでの期間で捉え、どのようにして売上を最大化するか、ホリデーシーズン全体の戦略を検討することも必要です。
複雑すぎる割引設定
年末商戦の戦略として、割引というのがありますが、それが複雑すぎて消費者が離脱したり、カート落ちを誘発してしまうことがあります。この期間は、売上を伸ばすチャンスでもあるため、できるだけ簡単に行うことが重要です。
ブラックフライデーからクリスマスまで一貫した戦略をとることで、購入プロセスを効率化し、ホリデーシーズン中のさまざまなタイミングで買い物客に再来店してもらうことができます。
10000円以上は10%オフ、20000円以上は20%オフというように、このくらい単純な方がわかりやすく、それ以上複雑にすると、コンバージョンへの障壁となって消費者を遠ざけてしまいます。
セール期間中の目標が不明確
優れた企業は、これらの活動がもたらす広範な結果も考慮しています。ブラックフライデーやクリスマスは、今まで買い物をしたことのない新規顧客を呼び込み、リピート購入するかもしれない機会になります。
そのため、追い打ちを掛ける意味でメールやソーシャルメディアなど他のチャネルと組み合わせて、後々まで利益を拡大していきます。
ブラックフライデーを最大限に活用するには、事前に長期的な目標との兼ね合いを明確にしておくとよいでしょう。
朝令暮改
Googleを代表とするAdsなどは良いものですが、変更はアルゴリズムの調整を要するので落ち着くまでに数時間から数日かかることがあります。
急な変更ではアルゴリズムが最適でない反応をしてしまい、結果的に良いパフォーマンスをもたらさない可能性があります。だからこそ、事前の計画が重要です。
Googleのポリシーに違反している
Google Merchant Centreでは、商品のプロモーションについて、特にプロモーションタイトルやフィードのラベル付けについて非常に厳しい基準を設けています。
できるだけ早くプロモーションを設定するのが良いのですが、設定する前にテストして改善できるように、少なくとも5日間の余裕を持っておく必要があります。
複数チャネルで一貫性のないメッセージ
ソーシャル、PPC、自社サイトなどの複数の販売チャネル間で一貫性のないメッセージなどは利益を危険にさらします。すべてのチャネルでメッセージに齟齬が生じていないかチェックすべきです。
多アクセスでも平気なサーバーでない
広告は(上手く行けば)即効性があるので、日頃以上に多くのトラフィックが発生する場合があります。
サイトがクラッシュする可能性を避けるためには、事前に計画を立て、忙しくなった場合に拡張できる帯域幅を確保するなり、しない場合でもその時どう切り抜けるかシミュレーションはしていく必要があります。
リマーケティングの機会を逃す
書き入れ時の広告は新規顧客にアピールする絶好の機会ですが、リマーケティングの機会を逃すことは避けなければならない大きな落とし穴です。
多くの広告ツールには、リマーケティング機能を備えているものが増えていますので、それを使って過去にサイトを訪れたことのある顧客を対象とした戦略も立てましょう。
また、FacebookやYouTubeなどのリマーケティングチャンネルも、ホリデーシーズンの戦略に組み込むことで、複数の潜在顧客に対して一度に最大の効果を発揮することができます。
しっかりデータを取らない
この時期に蓄積されたデータは非常に貴重です。データを分析することで、ホリデーシーズンが終わったらすぐに次のブラックフライデーセールの計画を始めることができます。
これにより、改善策や、より多くの予算をかけるべき場所、見逃していた機会などを把握することができます。
また、このデータは、セール以外の年間を通してのマーケティング戦略にも役立ち、どのような製品やサービスが新たな顧客を獲得したのか、リマーケティング活動にどこを使うのが最適なのかを知ることができます。
さいごに
ということで9つの広告の失敗例を挙げましたが、日本の事業者が陥りやすいのは
- (本人は無意識に)複雑にしてしまう
です。これだけでも避けてほしいと思います。
つい、楽したいために送料計算や販売方法を自社に都合よくしてしてしまい、客にとっては複雑極まりないルールになってしまっている例をよく見ます。こうなってしまう原因は、
- 機械、ITはなんでも実現してくれるという幻想
に取り憑かれているせいだと思っています。日本人は「機械は人の代わりを100%やってくれるもの」という強い思い込みがあると言われています。
一方海外では「機械は人の作業の60~80%程度手伝ってくれればいい」という感覚なので、それが達成できていればすぐ事業を始めます。
望み通り自動でなんでもやってくれる完璧なものにすることよりも、多少手作業が伴うものの、顧客に迷惑がかからないなら早くスタートを切ること。こちらの方を海外では重視しますので、この心構えの差で日本企業の多くは負けやすくなってしまっています。