ジェイグラブの横川です。
2021年の世界の消費者の行動データという興味深い資料がありました。例えばどういうジャンルを見ているのか、どのくらい消費するのか、性別ごと、年齢ごと、国ごとなどなど。
すべてのデータをご紹介したいのですが、なかなか長大なデータなので、少しずつ紹介していくことにして、今回は世界から「変態的神経質、変態的臆病」と揶揄される日本人が気になる、詐欺や不正に関する部分を紹介いたします。
クリアセールが実施したサピオリサーチの調査では、どの消費者が国境を越えたショッピングを最も快適に利用しているのか、オンライン詐欺を最も心配しているのか、そして、店の誤った対応後の反応などが明らかになっています。
国際的な詐欺対策のリーダーであるクリアセールは、消費者の意識に関する 5 カ国の調査の詳細な分析結果を発表しました。この分析では、米国、英国、カナダ、メキシコ、オーストラリアのオンラインショッピング利用者が、どのeコマースストアから購入するのか、または避けるのかをどのように判断しているかが示されています。
クリアセールの副社長は「今年は世界的にオンラインショッピングが非常に成長しているため、店が顧客の態度を理解することで、アメリカのベビーブーマー、メキシコのミレニアル世代、オーストラリアのZ世代など、理想的な顧客の期待に応えることができるようにしたいと考えています」と述べています。
※註:世代を示すワードについては以前に書いたこちらを参照してください「知っておくと便利な用語」
調査は2020年3月上旬に実施され、各国の頻繁にオンラインショッピングをする1,000人以上の買い物客を対象に調査が行われました。調査では、オンラインセキュリティやデータプライバシーに関する意見、オンライン詐欺に対する懸念、どこで買い物をするのが好きかなどを買い物客に尋ねています。
調査結果の中で、全消費者の52%が海外の小売店や国内の小売店に注文しており、50%が携帯電話やタブレットを使って買い物をしている可能性が高いことがわかりました。「これらの数字は、国境を越えた注文を受け付けず、優れたモバイル体験を提供していない加盟店は、潜在的な顧客の半数を逃していることを示しています」と述べています。
さらに、この調査では、消費者は詐欺を心配しているが、誤って注文を拒否する店には我慢できないことも分かった。
消費者の42%がオンライン詐欺の被害に遭ったことがあるにもかかわらず、全消費者の78%が実店舗での買い物よりもオンラインでの買い物の方が安全、または安全だと感じていると答えています。
全消費者の39%が、注文を断った加盟店では二度と買い物をしないと答えています。
「ここでは、店が詐欺対策をしていることを顧客に知らせることの重要性と、顧客を遠ざけてしまう誤った辞退を避ける必要があることがわかります」と結論づける。
また、この調査では、国ごとの消費者行動の違いも発見された。例えば、以下のようなものです。
メキシコのオンラインショッピング利用者の72%、オーストラリアのオンラインショッピング利用者の60%が、海外と国内の両方の店に注文しているのに対し、米国と英国のオンラインショッピング利用者は37%にすぎませんでした。
メキシコの買い物客の64%がオンラインで購入する前に店のレビューを読んでいますが、イギリスの買い物客は34%しか読んでいません。
オーストラリアと米国の買い物客は、顧客アカウントの作成を求められた場合、購入しない可能性が最も高い。
「顧客の行動を理解したいと考えている店は、この情報を利用して顧客体験を向上させ、国境を越えた顧客をより効果的に獲得することができます。」とレポートは結んでいます。
日本の場合は万が一のことを異常に恐れ、対策を決めるのもえらく時間をかける(海外から見たらもはや)悪癖に近い部分があるので、こうしたところはしっかりしていると思いますが、万が一とは文字通り1万分の1、0.0001%です。辞書を引いても「無いに等しい」とでてきます。万が一をわかりやすく置き換えると、重大なトラブルが27年に1日あるかないかといった程度のことです。この程度の対策を決めるのに1週間、1ヶ月も時間をかけて意思決定したとしても、いざとなったらシミュレーション通りに行かないものです。その時になって慌てふためくのも問題ですが、0.0001%を99%起きるくらいの針小棒大に捉えて騒ぐのも滑稽です。
これは日本が含まれていないデータです。それだけ越境ECをやる企業にとっては役に立つデータでもあります。
例えば、実店舗より、オンラインのが安心と答える率が高いのは治安の問題があると思いますが、ネットで買うほうがいいと答える人が多いほうが日本人からしてみれば売りやすいということです。依然としてチャンスがあるということですね。