こんにちは。ジェイグラブの横川です。
先日(11月12日)のブログはこんな書き出しでした。
このブログでも何度か紹介している中国ECについてです。私は日本のメディアは表層面を伝えるのみでノウハウは伝えないから鵜呑みは危険と言い続けています。また、ネットで検索しても中国ECへ誘う記事のほうが多いので、そういう記事がデメリットを書くわけがありませんから、中国ECを知る上で決してフェアではありません。
と言い続け、書き続けていたわけですが、それでも中国、中国の声はやまず・・・だったんですが、ようやく日本のメディアでも最近はちらほら良記事が上がってくることが出てきました。中国に夢を見ている皆さんに是非読んで欲しい記事です。
サクラ、カラ発注、偽物販売 中国最大ECセールの怪しいウラ側(日経ビジネス)
本文はこちら
ちなみに、11月12日に私が書いたブログには以下のような文章を書きました。
こうした「楽天の◯倍も売った」的な(いつもこういう時に引き合いに出される楽天が少し気の毒な気もしないではない)華やかな面がある一方、当然”コインの裏”というのもあるもので、デメリットも存在します。
実際、中国では必要なライセンスがない商品、KOL(インフルエンサー)が虚偽や誇大表現をする、スレスレを通り越した完全違法な宣伝をしている、KOLの説明と異なる物が来る、視聴者数や商品の販売数の表示を水増ししている、アフターサービスが受けられないなど、ライブコマースに対する消費者の苦情も増えており、特に販売数や視聴者数の水増し問題はKOLへのプロモーション費の異様な高騰につながっています(一流のS級ランクのKOLに頼むと、2000万円くらいかかることがあります。これは日中で代理店がコストを上乗せしていることで増大しているのですが、仮にこうした仲介業者を省いて直接交渉できたとしても1000万円はかかると思われます。S級以下のKOLにしても優秀なKOLなら1回あたり100~500万円はプロモーション費として計算しておく必要があるでしょう。本気でやるならば。)。また、セール中の雰囲気に飲まれて、勢いで買ってしまう人も多いため、お祭りの後には返品も極端に増える時期でもあります。一説には40%も返品される商品もあると言われており、こうした一連の作業にかかるコストを入れると一流ブランドで資金に余裕がない限りは厳しい局面も予想されます。
結局のところ、中国での認知度がない状態では、売上につながらず、かなりの投資を覚悟する必要がある市場であるということに変わりはありません。
セミナーではたまにこんな厳しい事も言っています。
中国に限らず、世界は生き馬の目を抜くような魑魅魍魎が跋扈する世界です。そういった”輩”のような連中の中に混じって戦っていくんだという覚悟がないと上手く行きません。知識より意識が大切です。無理だと思うならやらなければいい。ただ、沈みゆく日本丸とともに座して死を待つか、代行者の風下で卑屈になっていくかですけれど・・・
先日と今回紹介した記事は中国にフォーカスが当たっており、いかに中国は酷いところかという印象を与えてしまっているかもしれませんが、別にそういう意図はございません。実際、欧米でもこうした輩に近い連中はいます。例えば、アメリカのユタ州にいるある男性は、eBay(イーベイ)でプレステ5を買ったが、届いてみたらコンクリートブロックだったというニュースが欧米では盛んに報じられています。
参考:Orem man buys PS5 on eBay, gets chunk of concrete
だからこそ、伴走支援の重要性というものが出てくるのだと確信しています。また、こうした記事を上げると、今度は中国は怖い、やめますと極端に針を振る人がいるんですが、中国を選択肢に入れるなとは一言も言っていません。やり方がないわけではありません。ただ、それなりの覚悟は要りますよというだけです。
なお、越境EC全般についてや、中国については来年のセミナーで行いますので、気になる方はぜひ。